【感想】36~40冊目『魍魎戦記MADARA(1)~(5)』田島昭宇【今日のまんが2023】

こないだ『犬王』を観たときに(→感想)、『どろろ』つながりで思い出した『魍魎戦記MADARA』シリーズ。そういえば実家に置いてあったな~ということで、お盆に帰省したタイミングで一気読みすることにしたよ。

あらすじ

身体の8つのパーツを奪われて生まれた主人公・摩陀羅(マダラ)。生後まもなくヒジュラ村の長老・タタラに拾われ、機械で肉体を補って生きていたが、村を襲撃されたことをきっかけに自身の運命を知り、失った身体と霊力を取り戻すための旅に出る。 

感想

中学時代に当時まだ連載中だった『多重人格探偵サイコ』に出会い、「こんなオシャレな絵、いままで見たことがねえ!!!!」って衝撃を受けてハマった田島昭宇氏の絵。当時は勉強ノートに美和の絵を模写したり、カラー絵に影響を受けてドクターマーチンのインク買ったり、同氏キャラデザの『キル・ビル』(のアニメパート)や『お伽草子』を夢中で観たりしてたけど、漫画作品に関しては『サイコ』以外に『BROTHERS』しか読んでこなかった。

田島昭宇好きならどう考えても絶対に代表作の『MADARA』は通るべきだったのに、おケツの青かった私は「なんか絵が古いし長いしなあ~」と後回しにしてたのね。あれから約15年、実家の本棚に眠ってた完全版をようやく読むことができました。

魍魎戦記MADARA壱

今回読んだのはシリーズ第1作目(いわゆる『MADARA壱』)。主人公が幼なじみとともに旅に出て、行く先々で出会う仲間たちと協力しながら魍鬼(魔物的なもの)を倒して自分の身体を取り戻していく冒険ファンタジー。

『どろろ』オマージュっていうのは知ってたし、話の流れはわりとシンプルなんだけど、一人ひとりのキャラ設定が深いから所々驚かされる場面もあって、今読んでも十分に楽しめる内容でした。脇役まで大事に扱われてるところには好感が持てる。(ヒミカが立ち直るまでの話を見られたのは地味にありがたかった)

ただ、個人的に気になったポイントとしては、もともとゲーム雑誌に連載されてた漫画ということで「左開き」なところ。コマを目で追う方向になかなか慣れなくて大変だった。アメコミとか読み慣れてる人は違和感なく読めるのかも。あと、キャラの名前に難読漢字が多い! 夏凰翔(カオス)とか聖神邪(セイシンジャ)とか邪魅羅(ジャミラ)とか、100歩譲って読めたとして絶対に変換できる自信がないw このネーミングも世界観をつくる大事な要素だろうから仕方ないんだけど、これも覚えるまでに少し時間がかかった。

1作目は5巻完結なので、どちらも慣れた頃には終わってしまうという切なさを感じつつ、とにかく良い作品だったことには変わりないです。以下、ちょこっとネタバレ感想。

ポチっと押してネタバレを読む

マダラとミロクの親子ゲンカ漫画(雑)だと思ってたから、終盤ミロクがあっさり影王に取り込まれて「そっちか!」ってなった。しかも結局最後は復活して逃げるんかい!っていう。まあMADARAシリーズ自体、転生ありきの話みたいだからもともと1作目で決着はつかないんだろうけども。身体を取り戻して幸せに暮らしましたとさ、じゃないのがまた面白いところ。

しかしいちばん衝撃だったのは、「麒麟(キリン)」の正体。幼なじみ→種違いの姉かと思いきやまさかの自分の一部って……こんな特殊な設定のヒロインほかにいる? 考えた人すごいわ。旅の目的がわかりやすかった反面、「アガルタ」の概念が難解で最後戸惑ったので、もう1回読み返す必要がありそう。

そもそも私が読んだカドカワの完全版は、巻末にあった設定資料集がまるっとカットされてたので(泣)、その辺補完出来たらもっと違ったのかも。ドラゴンコミックスかメディアワークス版、買うか……。

この後は完全版の刊行順どおり、『MADARA赤』 全3巻→ 『BASARA』 全3巻→『MADARA転生編』の順番で読み進める予定。てっきり転生編で完結するとばかり思ってたら、転生編は未完だとか、別の漫画家が外伝描いてるとか、原作者が小説で続きを書いてるとかいう情報がわんさか出てきて震えてる。どうやら私はとんでもない作品に手を出してしまったようだ。今から全部追うのは難しそうなのでとりあえず転生編まで読んで一旦終わりにしようと思ってるけど、ほかにこれだけは読んだ方がいいよみたいなのあったら教えてください。押忍!

▼追記:『MADARA赤』読みました

余談。ついこないだ『多重人格探偵サイコ』の愛蔵版コレクションボックス第一弾が発売されてたことを今更知った。漫画持ってるけどちょっと欲しい。↓

https://product.kadokawa.co.jp/mpd-psycho/



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