監督・湯浅政明×キャラデザ・松本大洋の久々タッグということで気になってた『犬王』! 先日アマプラ配信でやっと観ましたよ。
あらすじ
室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王。周囲に疎まれ、その顔は瓢箪の面で隠された。ある日犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚と出会う。(中略)歴史に隠された実在の能楽師=ポップスター・犬王と友魚から生まれた、時を超えた友情の物語。
公式サイトより
感想
予備知識ほぼゼロで観たので、まずライブシーンが長くてギョッとしたw ミュージカル映画を観るテンションで挑むべきだった。しかしアヴちゃんはさすがの歌唱力、そこに森山未來も向こうを張っててすごい! 最近はダンスのイメージしかなかったから新鮮でした。まじでデキる人は何やってもデキるんだな。
ただ中盤の歌のシーンにきて同じようなカットが続くのと、アマプラの字幕と音声がズレてるのとで(日本語でも字幕付きで観る人間)少々ダレてしまった。これは単に私の集中力が足りなかったのと視聴環境が悪かったのが問題。でも口元のアップとか脚の動きとかちょいちょい良い動きが挟まるので、そこでハッとして意識を保った(笑)。
湯浅作品といえば『カイバ』のときは“モテ要素全開”の絵だったけど(個人の感想です)、今回の『犬王』は人間臭さとエグ味全開で、清々しいほどの「やりたいことをやってる感」! 話も初めからいきなり暗いしグロいしで、深夜アニメや配信オリジナルアニメならともかく全国公開のアニメ映画でここまでやるか…ってワクワク。新海誠とかジブリみたいなザ・大衆受けの作品も当たり前に良いんだけど、湯浅作品からしか摂取できない栄養があるんですよ。
ストーリーのジャンルは、歴史ファンタジー×友情もの。わたしは歴史の成績良くなかったので南北朝時代あたりの知識あやふやだし、「犬王」って実在する人物だということ自体知らなかったんだけど、それでも足りないものを補い合って成り上がる「友魚」と「犬王」の関係に素直に胸を打たれましたね。 嘘をつけない友魚の気持ちも、仲間のために自我を殺す犬王の気持ちもわかって切なかったし、最初に出てきた現代シーンの意味がわかった瞬間ウルっときた。
終わってみると仮面とか呪いの剣とかハテナは残るけど、映画には原作(『平家物語 犬王の巻』)があるらしいので読めば疑問が解消されるかもしれない。湯浅さんと原作者の古川日出男氏との対談によると、映画では湯浅さんの方でアレンジしてる部分も結構あるっぽいので、原作との比較も楽しみだ~。
余談。観終わってからなんとなく『どろろ』を思い出したので検索したら、結構同じこと言ってる人いた。今更だけど大元のネタは『古事記』の「ヒルコ」だったりするのかな。教えて知識人~!!! そんで『どろろ』オマージュと言えば『MADARA』ですよ。お盆は実家の本棚から引っ張り出して一気読みしようそうしよう。
以下、ちょこっとだけ映画のネタバレ。
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犬王の素顔が醜い扱いを受けてたが、個人的にはあの異形の仮面がいちばん怖かったよ。ほんとギャルの黒コンだけは苦手なんだよ黒目でかいのやめてくれよ(怒)。犬王最終形態のお顔はちょっとコレジャナイ感が強かったです。ジョーカーかな? なんかあの顔だけ別の人が描いたみたいな違和感なかった? 意図的になのかな……
原作! 読むぞー!