こないだ『拡散』を読み返して、そういえば同じ作者の代表作『ミヨリの森』は読んだことなかったな~ということで、読みましたわよ。『拡散』は正直読む人を選ぶ作品だと思うのだけど、こっちは万人におすすめできる傑作ファンタジーでした。
あらすじ
両親の離別により、田舎の祖父母宅に預けられた少女・ミヨリ。周囲の森で不思議な“精霊”たちと出会う。
感想

不仲な両親のもとで育ち、心を閉ざして空想にふけってばかりいた少女・ミヨリ。大自然のなかで精霊や新しい仲間たちと出会い、森の守り神になるまでの再生物語です。
児童文学を思わせる雰囲気で、スタジオジブリとか好きな人は絶対刺さるヤツ! ゆるキャラ感満載の精霊たちにも、純粋な子どもたちにも癒やされるんだけど、何より終盤のおばあちゃんとミヨリのやりとりが超~泣けるんですよ。すべての人を大きな愛で包み込むおばあちゃん。義娘への「なんとかなると思ってんだろうけどね……実際はね誰かがあんたのかわりになんとかしてくれてんだよ!」っていう説教は心に刻みたい。めっちゃわかる。
全然知らなかったんだけど2007年にはアニメ化もされてたそうで、ジブリの美術監督をされてた山本二三氏が初監督を務めてたんだそうな。繊細に描き込まれてる漫画って大体アニメ化されるとがっかりするからあまり期待しないようにしようと思いつつ、テレビアニメにしては破格の2億超えの予算がかけられてるということで少し気になるので、今度時間あるときにU-NEXT で観てみようと思います。
あとがきで小田先生が挙げてた作品をメモ。
・ヘンリー・D・ソロー『森の生活』
・C・W・ニコル『森から未来を見る』
・安田喜憲『環境考古学事始』
・五十嵐大介『リトル・フォレスト』
最近全然旅行にも行けてないし大自然が恋しいなあ。寒くなる前にどっか行きたいな~。