44~47冊目『狂気の山脈にて(1)~(4)』田辺 剛【今日のまんが2023】

「今日のまんが」とタイトルつけてるわりに、不定期更新になってるのでそろそろ毎日更新したい気持ち。今回はH・P・ラヴクラフトの名作『狂気の山脈にて』の漫画版です。

あらすじ

怪奇小説家・ラヴクラフトが生み出したクトゥルフ神話の最大長篇作を、鬼才が渾身コミカライズ!! 第二次世界大戦前夜、ダイアー教授率いる探検隊が、荒涼とした白銀の南極大陸で知る、戦慄の“事実”とは……!? 『パシフィック・リム』の映画監督、ギレルモ・デル・トロが実写化を切望するも、未だ実現に至っていないコズミック・ホラー超大作が今、圧倒的筆致で蘇る!!

月刊コミックビームWebサイトより

感想

昨年末から年明けにかけてNetflixで『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』を観て(感想→前編後編)、クトゥルフ熱が上がってたときに買ったのが、田辺剛氏による漫画版『狂気の山脈にて』全4巻。原作は青空文庫とかでも無料で読めるんだけど、いまさら古い海外文学の長編を新規に読む体力も勇気もないな~と思い、まずは漫画版でチャレンジです。

原作未読というのもあって、読みはじめは横文字の名前覚えられないわ、顔の区別つかないわで初っ端から「オワタ…」って思ったけどなんとかなります。理解出来なきゃ読み飛ばして大丈夫。2巻以降は最初に人物紹介とあらすじも書かれてて、とても親切なつくりになっています。

ただ、1巻は正直眠かった。舞台が南極大陸で、登場人物も基本おっさん(冷静なおっさんVS自分勝手なおっさん)なのではじめは地味っちゃ地味なんだよね……。でも、巨大建築を見つけたあたりからストーリーは急加速、3巻後半あたりからの盛り上がりは半端なかったです。ラストの着地も好み。でも、犬は死にます(むせび泣き)。

旧支配者も良いキャラしてたけど(食事シーンかわいい)、やっぱり今作の主役は「ショゴス」でしょう。わたしは今回初めて知ったんだけどクトゥルフ好きは人は「鼻からショゴス」とか言っちゃうくらいに有名なのね。今度風邪ひいたら使おう。

RPGでおなじみの「スライム」はこのショゴスが原型になってる(という説がある)と知って、ラヴクラフトが現代の創作に与えた影響は計り知れないものがあるなあ~とあらためて思いました。『狂気の山脈にて』に限って言えば、『遊星からの物体X』(原作:『影が行く』)とかもそうだし、ドラえもんの映画でも元ネタにされていたのにはびっくり!(漫画読んだ後すぐ観た)

でもまぁ、まさかショゴスも日本のラノベでお姉さん系メイドに転生するとはさすがに思わなかったでしょう。日本人ってやっぱりHENTAIだよ。

話を戻して、田辺剛先生といえばラヴクラフト作品の漫画で有名ですが、三遊亭円朝の落語『真景累ヶ淵』をコミカライズした『累』(全2巻)も大人向けでおもしろかったのでおすすめです。ビームコミックスはちょくちょくkindleセールやってるので、安いタイミングでぜひ!↓

あとでゆっくり読む。
・田辺剛さん「クトゥルフの呼び声 ラヴクラフト傑作集」インタビュー 〈クトゥルフ神話〉の原点、圧倒的画力で漫画化!|好書好日
https://book.asahi.com/article/13043047

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