いろんな恐怖症をテーマにしたショートホラー、『フォビア』が完結してました。最終巻の感想です。
あらすじ
コワ面白いが止まらない! 既刊も続々重版! 令和の最先鋭「恐怖症」ホラー、堂々完結。
鍛えないと衰えてしまう…「筋肉」
しちゃいけないがしたくなる…「抑圧」
誰もに平等に訪れる…「死」
全ての雄が畏怖し憧れる…「母性」
なくなるのが怖い…「欠乏」などなど、「恐怖症」に苛まれる市井の人々を描いた傑作短編5作を収録!
小学館Webサイト作品紹介より
感想
2021年9月に1巻、2022年7月に2巻、そして2024年5月に3巻が発売されたので、だいぶ時間が空いた感じですね。不定期連載だったのかな。
ゴトウユキコ先生の描く人物の表情好きだなあ。
以下、各話の感想をメモしておきます。ネタバレを含むのでこれから読む方は注意されたし!
ネタバレ感想
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「筋肉」
うんうん、ダイエット中とかもこういう強迫観念起こるよね~。大胸筋でメロン育ててんのかい! 筋トレもダイエットも整形も、いい塩梅を見極めたいところですな。主人公よりも、モテるために体鍛えてる同僚の顔面の解像度高くてなんかじわじわきてしまった。天性のモテではなく、努力型モテの者ってこういう雰囲気が多いような……(ド偏見失礼)。
「抑圧」
3巻のなかではこれが一番共感したかも! 生まれてこのかた平和な人生送ってきたわたしでも、親しい相手をいきなりぶん殴ったらどうなるかなあ~とか、手料理に毒混ぜたらどうなるかなあ~とか想像したことあるもん。でも個人的にはうっかりチンピラを刺しちゃうよりも、部下に「パンティちょうだい♪」って口滑らせちゃう方がダメージでかい気がする(チンピラごめん)。もちろん、何も起こらないのが一番だけど。
「死」
出たな~! インチキ芸術家!! 作品の中身が実は人間で……ってなんかどっかで見たことある話。芸術家が逮捕されるときに笑ってるの気持ち悪くていいなあ。窮地を救う男友達、『セクシーボイスアンドロボ』みたいにはうまくいかないもんだね。
「母性」
カマキリの習性をモチーフに、終始「女って怖え~~~!!!」って描かれ方してるのがとてもイヤな感じ。夫目線だとこんなふうに映ってるかもしれないけど、実際この話でいちばんバケモノなのって夫じゃない? どんなに温厚な女性も出産したら赤子を守るためにガルガルして当たり前ですからね。いつまでも恋人気分じゃなくて戦友になれなきゃ夫婦関係破綻するよなあとか、人生経験少ないなりに思うのですよ。
突然のマキシマムザホルモンには笑った。「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ」ってあらためてすごい曲名だ。ナヲさんの声いいよね。
「欠乏」
子どものスペアまで……って展開は読めたけど、さらに上位に猫が君臨してるとは思わなんだ。ジャンプ+で読んだ『開けないで』となんとなく近い!
3巻読み終わった後に前巻読み返したけど、個人的にはやっぱり1巻が一番キレキレのホラーだったなあ。2巻のほっこりエピソードも捨てがたい。新作もたのしみに待ちましょう~!!
\2巻の感想はこちら/