【感想】『君たちはどう生きるか』モデルが誰とかどうでもよかった【ネタバレあり】

『君たちはどう生きるか』映画館ポスター

10年ぶりの駿カムバということで、何としてもネタバレ踏まずに観たかった『君たちはどう生きるか』。公開初日に息子寝かしつけた後レイトショー観てきました。消化不良で1週間くらい寝込んでしまったけど、ようやく気持ちが落ち着いてきたので感想を残しておきます。

感想

はじめに私のジブリスペックを書いておこう。宮崎監督映画は『未来少年コナン』以外視聴済で、個人的TOP3は『風立ちぬ』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』。初めて映画館で観たジブリは『千と千尋の神隠し』の1992年生まれ(31歳)です。

自分はジブリオタクには程遠いけれどそこそこ好きな方だろうな〜とか思ってたので、今回の映画の第一印象は、完全な置いてけぼりを食らった気分。有名シェフのレストランに期待して入ってみたら、周り完全に常連客ばっかりで居心地悪すぎみたいな2時間でした。

この自分の感情の正体をしばらく考えてみた結果、これは「理解しようと頑張りすぎた」のが原因だったんだと思う。誰がモデルになっているとか、“13個”みたいなシーンに隠された意味とか、観た後にキャッキャしながら考察してる人たちを見て「こんなんガチのジブリファンじゃなきゃわかるわけないじゃん。一見さんお断りならこの公開手法は間違ってるだろ(怒)」とか思ってたけど、よくよく考えてみたら実はそんなことはどうでよくて。もっとシンプルに受け取って良い作品だったんじゃないかな~と個人的には思います。以下、ネタバレ感想です。

ネタバレ感想

いろいろな解釈があると思うけど、母親を亡くした少年の内面世界をめぐる話っていうのが自分の中で一番しっくりきてる。子どもの想像の世界だから、整合性が取れない部分や理解できない部分があるのは当たり前だった。夢の中みたいな不思議の世界を楽しむ気持ちで観ればよかったんだと思う。

ポスターにもなってるアオサギは眞人の一部で、イマジナリーフレンド的存在。なので夏子がアオサギをガチめに仕留めようとするシーンとか超怖い。産屋でも夏子が眞人に正直な気持ちをぶちまけるけど、あのタイミングで眞人が初めて夏子を「お母さん」って呼ぶのとかめちゃくちゃにグロかった。良い大人が、(愛する夫の)子どもに気を遣わせるなよ……。腹割って話したから仲良くなれるとか、私にはそういう感じにも見えなくて。外面的には良い関係になれても一生しこりがのこる気がする。

だからこそ、眞人が心地よい死の世界よりも、過酷な現実を選ぶシーンは苦しかったな~。私が同じ状況に置かれたら、嬉々としておっさんの跡継いで一生若ママとこってりジャムパン食べてバブバブしてた(=生きるの諦めてた)と思うので。眞人ちんは強いよ。きっと、オカンからもらった『君たちはどう生きるか』がお守りになるんだね。

正直、作画面や音楽面では全盛期の作品と比べてしまうとどうしても物足りなさは否めないけど、月並みな言葉で言えば噛めば噛むほど味が出るスルメ的作品でした。とはいっても1回観ただけなので解釈間違ってる部分あるかも。観てすぐ勢いに任せてフィルマークスで低評価つけてごめん。公開前のポスターの大喜利がいちばん面白かったとか言ってほんとにごめん。

てか今回の映画観て「遺作」とか「走馬灯のよう」とか「これが最後かと思うと涙が止まらない」とかレビューしてる人いたけどさ、勝手に殺さないでください。私はこれからも宮﨑駿映画が観たいよ〜!  おじいちゃん、まだまだ止まるんじゃねえぞ!!!

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