機能不全家族の描写にMPゴリゴリ削られる…74冊目『青野くんに触りたいから死にたい(11)』椎名うみ【今日のまんが2023】

青野くんの最新刊読みました。今回のカバーイラスト、怖〜っ! ネタバレ含む感想です。

あらすじ

生者と死者。
断絶した世界のふたりが、手を伸ばし合う。
切なくて怖くて愛おしくて、心がぐちゃぐちゃにされて、でも読まずにいられない…。
話題騒然! 今いちばん面白い、唯一無二のホラーラブストーリー。

文化祭の舞台上で行われた儀式に応じ、黒青野が出現した。
希美が黒青野との交渉を始め、青野の過去が明らかになる。
母・瞳、弟・鉄平と3人で過ごした、温かくて苦しい日々。
その終わりはあまりに切なくて――…。

最終章「受肉編」、青野が青野たる所以がここにある。

アフタヌーン公式サイトより

感想

前巻を買ったまま読んでなかったので1年以上時間が空いてしまい、ストーリーがおぼろげになりすぎて、今回ラストで優里のお腹が大きくなってポカンとしたんだけど、あらためて1巻から通して読み返してみたらわかりやすいくらいに説明されていた。

・4巻第16話:希美ちゃんが幽霊(青野くん)の姿を描いたイラストにへその緒がついてる、「優里ちゃんと繋がってた」と説明
・4巻第19話:優里が赤ちゃん(?)を抱っこするシーン
・4巻第20話:優里のお腹にバツ印(青野くんと優里がここまで来た印)
・5巻第21話:美桜ちゃんが、「まるで青野くんが優里ちゃんのお腹で受肉するみたいなんだよなぁ」と推理
・7巻第36話:希美ちゃんの大ばあちゃんが優里について「あれはもうお役目を頂いている 中でだいぶ育っているだろう」
・9巻第47話:美桜ちゃんが「優里ちゃんの命を分けてもらった青野くんが優里ちゃんのお腹にいる」と推理

前巻に引き続き、11巻は青野家の話がメインです。

これまでもこの作品は毒親(優里の場合は姉も)の解像度がたっかいな〜と思ってたけれど、今回の青野家の過去編は輪をかけてキツかった。親の顔色伺う子どもって、この世で一番見ていて苦しい。本来、子どもは親に無条件に愛されるべき存在なんだよ…。

過去に鉄平は「龍平に捨てられた」「家族は祖父母だけ」みたいな話をしてたけど、11巻では水族館で龍平が鉄平を一度撒いて戻った後に「家族なんだから好きに決まってるだろ」って抱きしめててちょっと泣いた。言葉通り、本当は好きだったからこそ弟を祖父母に託していたんだと思いたい。

受肉編が最終章ということで、最後に出てきた優里のお腹の大きさを考えてもそろそろ作品も終盤かな? 青野くん産んだら優里は死んでしまうん? とか、お母さん(瞳)の死の真相とか、お母さんの真の契約者とか、まだまだ気になることいっぱい。どうなっちゃうんだ。

もう4年以上前の対談だけど、青野くんの作者・椎名うみ先生と押見修造先生のインタビューおもしろかったのでぜひ。椎名先生の分析がとにかく鋭くて、言葉選びも天才なので……。↓

【特別対談】『青野くんに触りたいから死にたい』椎名うみ × 『ハピネス』押見修造 インタビュー!【前編】
https://media.comicspace.jp/archives/11585

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