先月Netflixでアニメ化された浦沢直樹の『PLUTO』。漫画は連載当時(2003~2009年)に読んでたんだけどもう20年近くも前ということもあって内容ほとんど忘れちゃったので、アニメを観つつ漫画も読み返してます。3話までアニメを観たので、その感想も交えてメモしておきます。
あらすじ
ある夜、スイス林野庁所属のロボット・モンブランが、山火事現場でバラバラの破片となって発見された。翌朝には、別の場所でロボット法擁護団体の幹部・ランケも遺体で見つかり、双方の現場を検証した捜査官・ゲジヒトは、二つの事件が同一犯のロボットによるものと考え、追及を開始する。
小学館Webサイトより
感想
『PLUTO』は、手塚治虫の『鉄腕アトム』の第55話「地上最大のロボット」を原作にしたリメイク作品。原作は一切通ってないわたしですが十分おもしろいです。
前に読んだときは気にならなかったけれど久々に読み返してみて、顔のアップ多いところとか、「これは…!」って言いながら正体見せずに引き延ばすところとか、浦沢漫画のクセみたいなものも感じられて楽しかった。3巻まで読んだ感じ、1巻=1話のペースでアニメ化されてるっぽい。
作品で描かれてるのは、ロボットと人間を見分けることが難しくなりつつある近未来の世界。ロボットの人権(“人”権…?)が尊重される社会になっても、やっぱり結局イヤな仕事ってロボットに押し付けられるんだな~と切なくなる。
序盤で泣けるシーンと言えばやっぱりノース2号のエピソードですよ。孤独な偏屈じじいとノース2号の親子のような愛。ちょうど最近ブラック・ジャック全巻買って読んでたとこだったので、日本人のモグリの医者が黒男とわかってニヤニヤした。
でもノース2号の声は勝手に青年で脳内再生してたので、アニメ版は山寺宏一でズッコケました。あまりにも大御所声優過ぎて、ほかの役の影がチラついてしまうんだよなあ~。わたしの場合はトグサくんが遠くで手を振っていた。山ちゃんの声はとても好きです。
もう1つ、漫画のほうがいいなと思ったのが、アブラー博士の手下(?)のスキンヘッドのゴキブリ男のシーン。漫画では顔周りカサカサするところとか飲食店に現れるところとか口から溢れるところとか細かく描かれてて、あの不快感は漫画の圧勝だな~と思いました。反対に、おじさんが花を咲かせるシーンはアニメの方が鮮やかでよかった。全体的に暗い雰囲気の話だから、天真爛漫なウランちゃんに本当に救われる。
最後に、アニメ観てて個人的に地味に気になったのがクルマの運転シーン。ロボットのゲジヒトはハンドルを握ってたけど、人間のアドルフは握ってなかったのなんで!? 偶然? 一緒にアニメ観てた夫は「自動運転だから(ゲジヒトは握ってても握ってなくても一緒)じゃない?」って言ってたけどすぐに「おれも自分で言ってることがわからない」って言ってて笑った。