伊藤潤二週間、まだまだしつこく続きます。 今回は有名文学のコミカライズです。
これまでの伊藤潤二作品の感想はこちら
あらすじ
文学界の名作を独自の解釈で綴る異色作。日本文学の不朽の名作『人間失格』をトップホラー漫画家の伊藤潤二氏が独自の表現で捌きます。
小学館Webサイトより
感想
伊藤潤二ワールド炸裂の漫画版『人間失格』。太宰治の原作を踏襲しつつ、さらにおどろおどろしいシーンやオリジナルキャラが追加されてます。人間の醜さだけじゃなくて、心霊とか幻覚とかホラー好きのツボをいろんな角度から刺激してくる良い作品でした(原作ファンがどう思うかはさておき)。
個人的お気に入りキャラは同級生の竹一(ワザ…ワザ…)。ビジュアルが想像の100倍アクが強くて、原作にない追加設定がものすごくイヤ〜な感じで良かった。これはもう影の主役と言ってもいいくらいじゃないか。
あと特にテンション上がったシーンは3巻の薬屋の奥さんの部屋。描き込みが…凄すぎる…… 自分が描くとこ想像しただけで眼精疲労起こしそう。
原作とは違うラストにも注目。太宰視点で考えれば伊藤潤二版もかなり凄惨なんだけど、葉蔵視点で考えるとやっぱり原作版がむごかったな〜なんて思ったり。伊藤潤二先生もインタビュー(※)でお気に入りキャラと仰ってたけど、出てくる女性が美しすぎるのよ!
※大庭葉蔵は自分に似ている ホラー漫画の鬼才・伊藤潤二さん「人間失格」完結|好書好日
https://book.asahi.com/article/11686609
読み終わった後に原作について調べてたら、太宰が『人間失格』を完成させたのは埼玉の大宮だったそうで、あら近所〜! ってなった。とはいっても実際に執筆してた建物(小野沢宅)はもう残っていないみたいだけど。
ほかにもあるよ『人間失格』
人間失格のコミカライズといえば、「まんがで読破」シリーズのこっちも絵が独特で好き。Kindle Unlimitedで読めます。ソラマメゆでた後のヨシ子のシーン怖すぎてトラウマ。
『ライチ☆光クラブ』で有名な古屋兎丸先生も過去に漫画化してたのは知らなかった。今度読んでみよう。
原作とは無関係だけど、昨日たまたま読んだ『人間失格』っていう Web漫画もぶっ飛んでてよかったので、読んでない方はぜひ(R-18です)↓
◆電脳マヴォ:常山鞆 人間失格
https://mavo.takekuma.jp/title.php?title=119