【漫画感想】19冊目 伊藤潤二作品ウィーク④『富江―The complete comics of Tomie』【今日のまんが2023】

機会を逃してこれまで一切通ってこなかった『富江』。先日やっとこさ原作を読めました。

これまでの伊藤潤二作品の感想はこちら

【悲報】『富江<全>』では全エピソード網羅できない

とりあえずこれ読んでおけば間違いないだろうと思って、表紙に<全>と書いてある『富江―The complete comics of Tomie 』を手に取ったんだけど、これは1987~1999年までのエピソードを全収録したものであって、以降も新作が出てたので全部は網羅できず。ポカした! 今回私が読めたのは以下の13エピソードです。

・富江
・富江 PART2
・地下室
・写真
・接吻
・屋敷
・復讐
・滝壺
・画家
・暗殺
・毛髪
・養女
・小指

ってことで、これから原作を読む人は、「小指」以降の作品も収録されてる『伊藤潤二傑作集 1 富江 上 (ASAHI COMICS) 』&『伊藤潤二傑作集 2 富江 下 (ASAHI COMICS) 』をセットで読むことをおすすめします。俺みたいになるな。

感想

『富江』は伊藤潤二先生のデビュー作で、絶世の美女・富江を中心に展開されるショートホラーシリーズ。不死身・切断・血みどろ・巨大化・合体・化け物・洋館と恐怖要素もりもりだけど、個人的には富江の自己中心的な性格が憎たらしいを通り越しておもしろくて、そんなにホラーっ気を感じなかった。

わたしは奇行ババアが暴れるホラーが大好物なので一番のお気に入りは『養女』。作画的には『毛髪』がゾクッとした~! 富江のビジュアル的には、『小指』のショートカットが激かわいい。

作者のあとがきによれば、富江が作中で自分のことを「世界で一番美しい」と言ってしまったがために、より美しい富江を描かなければいけないという責任感で富江シリーズを続けてきたそうだ。しかも『富江』以外の作品を描くときも、女の子キャラが富江よりも美しくならないように気をつけてるのだとか。息を吐くように嘘をつく富江ちゃんを全力で思いやる伊藤先生、誠実だなあ。愛だなあ。

アニメ版もあるでよ

ちなみに漫画を読んだ後にアニメ版も一通り観ました。富江の美しさを原作以上に表現できるものはないというのは大前提としても、ネトフリの『マニアック』版の富江(「写真」)はピンとこず……。『コレクション』版の富江(「富江」「富江 PART2」)は、音があるぶん課外授業の解体シーンが生々しくてよきでした。『コレクション』はU-NEXTとかHuluで観られるようなので、まだの方はぜひに!

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