【漫画感想】18冊目 『東京ヒゴロ(1)』松本大洋【今日のまんが2023】

松本大洋作品は、初期の『ZERO』『ピンポン』と短編集くらいしか読んでない超ライト層のわたくし。今回の 『東京ヒゴロ』は 、「この漫画がすごい!」とか「フリースタイル」で名前が挙がってるのを見てずっと気になってて、去年買って積んでたのをやっと読めました。

あらすじ

30年間務めた出版社を早期退職した漫画編集者・塩澤。理想の漫画誌をつくるため、かつて関係した漫画家たちの元を訪ねる。

感想

一度でも雑誌連載ができればそれはもう奇跡で、ましてやヒット作を連続で生み出す作家なんてほんのひと握りの漫画業界(手塚治虫とか高橋留美子って神)。“元漫画家の生活”なんていままで考えたこともなかった。これは漫画家じゃないと発見できない視点だと思う。そうだよね……描き続けてる人も、筆を折った人も、いろんな思いがあるよね……と頷きながら読んだ。

個人的に特にジーンときたのは、団地の管理人さんとスーパー店員さんのエピソード。あと猫屋敷の漫画家が点呼とるページ大大大好き。

登場人物たちの心理描写も良いんだけど、何と言っても風景の描き込みが半端ない。毎話最後に入る、1ページまるまる使った風景コマ(大変エモい)はもちろん、それ以外も緻密でページめくるのがもったいなく感じてしまう。

静かに熱を秘めてる塩澤(主人公)すてきだなあ~。「なんか面白いことしましょうよ!」とか誰彼構わず言いまくってるビジネスマンに見せてあげたい。ここからどんな展開に転がっていくのか楽しみです。いつの間にか2巻も出てたので近々読むぞ読むぞ。

余談。きょうWikipediaを読んでいて初めて知ったんだけど、松本大洋って井上三太(『隣人13号』や『TOKYO TRIBE』 の作者)の従兄弟だったのね……どんな一族なんだ……おもしろい情報教えてもらったので、Wikipediaに寄付しようかね。

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