
以前から気になってた京極夏彦の妖怪絵本シリーズ全5巻。企画監修者は文芸評論家の東雅夫で、作画は1巻ごとに異なる作家が担当しています。
今回は石黒亜矢子の『とうふこぞう』を読みました。
あらすじ
おばけは怖い。怖くて眠れない。なにかがふとんに乗っかった! あれ? 怖くない。この妖怪、なにしにきたのかわからない…。
岩崎書店Webサイトより
感想
おばけを怖がる少年のもとに、妖怪「とうふこぞう」がやってきます。
以前読んだ石黒亜矢子の絵本『こねこのきょうだい かぞえうた』シリーズではシンプルな線でデフォルメされた子猫たちが描かれてたけど、今作では部屋の内部とか妖怪たちの描きこみが緻密で、もはや画集のような出来栄え! 毎ページ必ず少年の飼い猫がいるのがじわじわかわいい。


この「とうふこぞう」、 出てきたからといって何か悪さをするわけではなくて、豆腐を持って立ってるだけという超平和な妖怪です。この絵本でも去り際「おとうふをみせたので かえります。おやすみなさい」って言ってて、可愛すぎて椅子から転げ落ちてしまった。プリチーすぎる。

カバーの折り返し部分にはおキャット様。

もう片方のカバーを見てみると、豆腐を狙っているようでした。この紅葉のかたちが浮き出た豆腐は「紅葉豆腐」といって、ほかの豆腐小僧の絵にもたびたび登場するモチーフ。江戸時代には実際に販売されていたんだって。
◆京極夏彦の妖怪えほん