FFさんが読んでるのを見かけて気になって買って積んでた1冊。最近新刊が出たのでえいやっと読みました。
あらすじ
才能を持ちながら、売れない幽霊画を描き続ける画家・内海素馨(うつみ・そけい)。食い詰めた内海は、一度きりの贋作作りに手を染めてしまう――。
(公式作品紹介より)
感想
細々と、それでも楽しく幽霊画を描いていた主人公。ある日、知人の子どもたちを食わすために贋作作りに手を染めてしまいます。あーあ。これあらすじに「一度きり」って書いてあるけどさ、絶対一度じゃ済まないヤツじゃん……。
全体的に幸薄ムードなお話だけど、ふだん冴えない馨が能力開放するシーンとか、贋作作りのために家族で知恵を出し合うシーンには胸が熱くなります。馨ほどの才能の持ち主なら売れ線狙えば十分稼げそうなのに、それをしないのがアーティストっぽいというかなんというか。贋作ビジネスがうまくいけばいくほどハッピーエンドから遠のく気がしてしまって複雑です。これどういう気持ちで読んだらいいんだ。でも続き気になってしまう。
これはわたしの持論なんだけど、「人命さえ奪わなければ幸せになる余地はある」と思ってるので、どうかほどほどにやってほしい。主人公の馨のキャラ、いいなあ~。ダメっぽく見えて才能隠してる疲れたおじさん、好き! 無精ひげ、大好き!!!!
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