ある日突然、義父がネコになった。75冊目『僕の心がチューと鳴く』胃下舌ミィ【今日のまんが2023】

ビームコミックスから、タイトル買いした一冊です。

あらすじ

ある日、義父が「ネコになった」と言いだした。 他の家族は迷惑な様子。でも僕も本当は……。 連載デビューの新鋭が描く、揺らめくアイデンティティーの物語。

月間コミックビーム公式Webサイトより

感想

僕の心がチューと鳴く/胃下舌ミィ

『僕の心がチューと鳴く』って、いったいどんな状況だよ! タイトルから全く内容が想像できないのと、表紙の雰囲気に惹かれて買いました。

平凡な中年男性のたかしくんが、人間やめて猫になった義父(設定濃ゆいなあ)と過ごしているうちに、過去に封じ込めてた自分と再会する話。そう、たかしくんはもともとネズミだったんですって。

すでにリタイアしてる義父がネコ(本当の自分)として生きるのはどうにかなるとしても、バリバリ現役のサラリーマンとして家族を養ってるたかしくんが突然ネズミに転職するのはなかなか難しいわけで……。

ネコになっても義息子を気にかける義父と、異常に物分かりの良い娘ちゃんの優しさが胸に沁みます。重めなテーマに反して、絵柄や言葉選びが絶妙でギャグも効いてて読みやすかったです。

社会に適合するために自分を押し殺すことって、多かれ少なかれどんな人にも経験のあることだよなあ~と思う。家族のために夢や趣味諦めるとか、お金のためにやりたくない仕事するとか、結婚して子ども生まれてから性的志向が違うことに気づいたとか。本当の自分と周囲から求められてる自分にギャップがある人ほど刺さりそうな作品だと思いました。

主人公が中年男性の話なのに、作者の胃下舌(いかした)ミィさんは過去にミスiD出てた女性っていうのにも驚き。今回の漫画は1巻完結のようだけど、MV制作とか絵本制作とか幅広くやられてるようです。多才だ!

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