『大王』に引き続き、黒田硫黄作品を読んでます。
あらすじ
七色の声を操り、テレクラのサクラをする14 歳の少女・林二湖(ニコ)。喫茶店で偶然居合わせた謎の老人との出会いをきっかけに、さまざまな仕事を引き受けることになる。
感想
黒田氏の連載作品を読むのはこれが初めて。2002年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞し、2007年には日テレでドラマ化もした『セクシーボイスアンドロボ』です。
女子中学生のニコ(コードネーム:セクシーボイス)がロボットオタクの青年・須藤威一郎(ロボ)と協力しながら、謎のおじいさんからの依頼を解決していくほぼ1話完結ストーリー。
自由自在に声を操りアタマもキレる天才少女のニコに対して、相棒のロボはどこまでもオタクでそんなに大きな活躍をするでもなく、ただそこにいるだけっていうのがなんかジワる。
主人公たちが任務で出会う人間たちもみ~んな変わったヤツで、これはセクシー漫画でもなくロボット漫画でもなく、ただただ人間観察を楽しむ漫画です。テレクラとかガラケーとかノスタルジーを感じる場面もあったけど、いまの若い子にはどう映るんだろう。
1巻は正直個人的にそんなにグッとくる話がなくて、面白いと感じたのは2巻入ってからだった。むしろ2巻は捨てエピソードなしで全部良かったけどまさかその2巻で未完だなんて……残念すぎる。気に入ったのは床屋の男の子の話と、やっぱり人気の「三日坊主」の話だなあ~。
さあここから盛り上がるぞ!ってところで終わってしまったので、個人的には短編集のほうが好みだったかな。有名な作品ってことで読む前から期待値が上がり過ぎてたのかもしれんが。
短編集の感想↓
ちなみに、ドラマ版の『セクシーボイスアンドロボ』では大幅な脚色が加えられてるそうで、おじいちゃんが出てこなかったりニコの家族が出てきたりするとか。そしてロボ役は松山ケンイチ! って、ちょっとキレイ過ぎないか?
うーん、でもなあ。オタクの松山ケンイチとか絶対に身体にいいな(松山ケンイチに甘い女)。しかも三日坊主の男が中村獅童って。いいな(中村獅童にも甘い女)。現時点ではどこも配信されておらずDVDを買うか借りるかしか手段がないので、観る確率は低そうな感じです。
【余談】QJ黒田硫黄特集
そういえば、前回の感想でも話してたクイック・ジャパンの黒田硫黄特集がさっそく届きましたよ。
向井秀徳が黒田硫黄作品の全単行本(※2002年当時)レビューをしてて、『セクシーボイスアンドロボ』の感想では「手塚治虫の『I.L』を思い出した」的なことを書かれてたので、これもサラッと読んでみたいな~と思いましたね。