ジャケットからコッテコテのホラー洋画かと思って素通りしてた作品。予想以上に楽しく観られました。
あらすじ
殺人を目撃する悪夢に悩まされる女性。連日の悪夢はやがて現実とリンクしていき、忘れ去られた邪悪な存在にたどり着く。
感想
ジェームズ・ワン監督作品は、過去に『ソウ』(2004)、『アクアマン』(2018)を視聴済。ホラーからアクションまでの振り幅の広さを、『マリグナント』でも余すところなく発揮してます。
冒頭では念で電球をスパークさせられる最強患者が出てきて、「おいおい『AKIRA』の鉄雄かよ」って初っ端からワクワクが止まらない。殺人鬼の武器がちゃんと決まってたり、絶対“いる”角度にやっぱり居たり、オカルト要素があったり、パルクールアクションあったりと、非常にエンタメ性の高いホラーでした。恐怖に震えて毛布かぶりながら観るってよりも、殺人鬼の正体を予想しながら観る楽しさがあった。動機にも納得がいくし、テンポもよいので最後までストレスなく観られました。
ネタバレ感想
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1周したあとでオープニングのムービー見たら、「答え合わせかよ!」ってくらい見事に説明されてて笑った。途中まで観た私は「切り離した“ガン細胞”がまだ生きてて元気に暴れまわってる」って予想をしてたんだけど、まさか「くぱあ」だとは思わないじゃん。なぜ戻したし。
ガブリエルといえばキリスト教やイスラム教では天使だけど、ここでは悪魔なのね。でもガブリエルの気持ちになって考えたら、ガブちゃんの気持ちもわからないでもない。他人の都合でいきなり体を取られて家族と友達を失ったんだもん。そりゃ~荒れたくもなるよ。
それにしても、かわいい妹ちゃんに「誰かと血のつながりをもちたい」と話してたマディソンが、実は殺人鬼と血縁だったなんて皮肉な話です。結局はつながりがあってもなくても家族だよねって話に落ち着いてめでたしめでたし。テーマが一貫してて、やたらめったら殺さないのでわりと親切な作りだと思います。
ただ全てが丸く収まったはずのラストシーンの角度、なんか不穏な感じで気持ち悪かったなぁ~! 続編あったら観ます。 ガブちゃんのあの動きと造形、もっと観たい!
作品情報
『マリグナント 狂暴な悪夢』(2021)
監督: ジェームズ・ワン
脚本:アケラ・クーパー
原案:ジェームズ・ワン&イングリット・ビス&アケラ・クーパー
製作:ジェームズ・ワン、マイケル・クリアー
製作総指揮:エリック・マクレオド、ジャドソン・スコット、イングリット・ビスピーター・ルオ、チェン・ヤン、マンディ・ユウ、レイ・ハン
キャスト:アナベル・ウォーリス、マディー・ハッソン、ジョージ・ヤング、マイコール・ブリアナ・ホワイト
見放題配信サービス(2022年12月現在):Netflix
公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/malignant/
ジェームズ・ワンとジェームズ・ガン、名前似すぎ問題。夫は途中まで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と同じ監督だと思ってたみたい。わかる。