勝手に野田彩子作品ウィーク開催してから約2か月。積んでた『ダブル』を4巻までやっと読めました。
感想
同じ劇団に所属している売れない俳優2人組が主人公。 ふたりで1人のようなナイスコンビなんだけど、片方が芸能事務所に所属するようになって活躍の場が増えていくうちに、ふたりの関係は少しずつ変化していきます。ざっくりカテゴライズするなら「演劇漫画」なんだろうけど、演劇に疎い私でも引き込まれる激熱ドラマです。
作者の野田先生は別名義でBL漫画を描いているのもあって、今回の作品では男性同士の距離感が非常に近い。でも男性も敬遠せずに読んでほしい! 自分と同じ夢を持った才能あふれる人が目の前に現れたとき、自分はどんな行動を選ぶか深く考えさせられます。
主人公の多家良(表紙左)はのほほんとした雰囲気なのに実は周りを狂わせるとんでもない魅力の持ち主で、友仁さん (表紙右) も演技オタクで誠実で面倒見よくて審美眼鋭くてめちゃくちゃいい男。私は友仁さんが大好き。
このふたりのほかにも個性的なキャラがバンバン出てきます。中にはアクが強い感じの人も出てくるけど、みんな自分の目的(良い作品を作る、俳優として売れるetc)にまっすぐだから、意地悪な人間が出てこなくて読んでて気持ちいい。もちろん彼らが必死にやってもうまくいかないことって山ほどあって、だからこそしんどい場面もあるわけだけど。
個人的に一番感情を揺さぶられたのが、 多家良の内面奥深くに迫る4巻! 書影の友仁さんの涙の意味を考えると胸が苦しすぎて……。
ストーリーが大きく盛り上がる4巻以降、連載が休止してたり不定期連載になったりしてて続刊がいつになるのかは今のところ不明です。確かにこれは精神削りながら描いてるなぁって感じがする……気長に続きを待とうと思います。 つかこうへいの『初級革命講座 飛龍伝』、いまもちょくちょく上演されてるみたいだから一度観てみたいなあ。
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