今回のはAmazonのおすすめからポチっとしたやつ。漫画家さんのことは存じ上げなかったけど、わたしは「ビームコミックス」に絶大な信頼を置いている。ビームコミックスはいいぞ(ビームコミックスはいいぞおばさん)。
あらすじ
「ねぇ? 日本は、東京は、どう見える?」
第21回文化庁メディア芸術祭【新人賞】を受賞した著者が贈る、移民バクちゃんの「すこし不思議」で「すこしリアル」なダイバーシティ物語。夢が枯れた故郷から地球へやってきたバクちゃん。永住をめざし賢明に生きるバクちゃんの目にうつる東京は、わたしたち「みんな」の世界かも。
KADOKAWA 公式Webサイトより
感想
ちいさなバクの子が故郷の星から地球・東京にやってくる話。って言ったら一見ものすごいファンタジーに聞こえるけど、フタを開けてみると移民の就労の難しさとかアイデンティティとかシビアな問題をしっかり扱ってます。バクちゃんの見た目に魅かれて「さ~て1日疲れたし寝る前にほのぼの漫画でも読むか」ってテンションで読むと、ちょっと重すぎて頭がパンクしちゃうかも(予備知識なしに表紙買いした私がそれだった)。
とは言いつつ、おっとりしたバクちゃんのひとつひとつの言動とか、周囲の人間のあったかさには癒やされます。下宿先のみんなで囲む手巻き寿司のシーンとか、ともだちの悪い夢を食べちゃうところとかハッピーだったな。
あとバクちゃんの親戚のおじさんの好物(地球でいちばん美味いもの)が「ずんだ」なのも激シブでよかったし、区役所の中に「アンミ課」があるのにも笑った。なんなんアンミ課って。
作品の世界観としては、東京メトロが宇宙まで繋がってたり、ヒト以外の生き物が当たり前のように共存してたりと未来SF感があるかと思えば、あらゆる手続きにハンコが必要だったり、履歴書が手書きじゃなきゃダメだったり、うんざりするほどアナログでリアルな部分も残ってておもしろい。
バクちゃんの目的は地球で永住権を得ることなんだけど、これがなかなか前途多難。永住権どころか働くことすら難しい。たしかにコンビニとか居酒屋で外国人店員さん見ると、こんな異国で仕事覚えてバリバリ働けるのすごすぎって毎回思うもんな。日本人が日本で働くのも大変なのにさ。
作者さんの描く図解とか扉絵も丁寧だからじっくり観てしまって、1冊読むのにやたら時間かかった。2巻完結らしいので次の巻ものんびり読んでみようと思います。バクちゃんの地球ライフどうなるのかなぁ。
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バクちゃん 1(BOOK☆WALKER)